実印は手彫りで(高田馬場3丁目店)

“実印とは、言わば印鑑における身分証明書のようなものです。
自分が自分であることを証明する印鑑として市町村に登録し、公的な手続きやお金にまつわる契約の際には、絶対に必要となるものです。
個人においては、他のどの印鑑より大切な位置づけになりますので、作るときも扱うときも、慎重を心がけたいものですね。

世の中には、『印相学』という占いのような学問が存在し、印の良し悪しが運勢を左右するという考え方も、広く一般に浸透してきました。
だからと言って高価なものを作らなくてはならないということはありませんが、単純に防犯の観点から見ても、実印作成は簡単に複製ができてしまうような機械掘りではなく、手彫りの方が良いというのが常識です。

近頃は、機械を使うことによって印鑑を作成することが可能な時代になってしまいました。
100円ほどで売られている三文判などは、ほとんどがこのような方法で作成されており、同じものが世にいくつも存在するという性質上、身分を証明するための実印としては全く意味を持たないことはご理解頂けるでしょう。

手彫り印鑑は、『印章彫刻技能士』という人たちによって作られます。
国家資格の技能検定のひとつであるため、この資格を持っていない人が『印章彫刻技能士』を名乗ることは、固く禁じられています。

また、『一級印章彫刻技能士』のさらに上には、『伝統工芸士』という資格があります。
一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会では、経済産業大臣指定の伝統的工芸品の製造に従事されている技術者のなかから、高度の技術・技法を保持する方を「伝統工芸士」として認定しています。
。これは、従事する伝統工芸において卓抜した見識を持ち、技能が熟練の域に達していなければ、受験することさえかなわない、非常に高度な国家資格となっています。
保持者は生涯にわたって従事する伝統工芸の分野でその技術を磨き続け、後世にそれを伝え残さなければならないという責務を背負ってゆきます。

そんな伝統工芸士の作る手彫りの実印は、

・捺しやすい綺麗な印面
 (印面調整により滑らかになる)
・機械彫りに比べて耐久性がある
 (手で彫る際に、断面で言うと台形の形になる。機械はまっすぐ)
・手彫りならではの温もりを感じられる
・同じものは二度と彫れないので、偽造は不可能
・時間をかけて丁寧に彫りあげる

他の誰でもない自分自身を証明する大切な印鑑。

日本の伝統工芸技術の最高峰を極めた”匠の技で”